病める富士
冬の富士山は美しく気高い。遠く静岡市から見てもなだらかな曲線と一人たたずむ姿は、多くの山を見歩きしてきたわたしでも息をのむ。
やっと雪をかぶり天候が落ち着き、近くで富士山を見る機会をうかがっていたら「よし、今日だ」とのお告げがあり出かけてきた。
しかしその富士山も近くに行くと痛々しい姿をむき出しにしている。あろうことか、富士山は今まさに崩壊の危機が進行しているやに思える。
写真正面に見える割れ目が[大沢崩れ]、富士山頂剣ヶ峰のすぐ西側から崩壊が始まっている。
雪のラインの少し下の一番広い所にかっては「お中道」のルートが通っていた。わたしも1度渡りたいと思って行ってみたら直前に通行止めになっていた。まだ対岸にはハシゴが残っていたので強行したかったが断念した。その後も崩れの両側からルートを探ったが結局1度も成功せずあきらめた。一度も挑戦できなかったのは始終岩がゴロゴロと砂煙を上げて落ちているのを目耳にしたからである。
大沢崩れまでは静岡県側のようで、静岡県が崩れ防止工事を長年に渡って行っているがここ半世紀、目に見える効果は感じられないが地道に続けていないと富士山はここから大崩壊を起こすことは間違いなかろう。
次の写真は山梨県に入ってすぐの位置。大沢の崩れは右端だが、正面にも崩れが何カ所もあり、けっして優雅な富士を思わせるものでは無く老朽化した富士山と言っていいだろう。
少しカメラを引くと大室山が見えてくる。この辺りは若い頃の遊び場所でジーピングをしたりキャンプをしたりMTBサイクリングをしたり、雪の中を駆け回り、一面のお花畑の中を歩き回り、鹿の大群を追いかけたり、キャンプで夜中に肝試しをしたり、子どもたちにとっても思いでの深い所のはずだ。
ここは国有地だろうか、半世紀以上も殆ど開発されない広大な空き地である。最近はゲートができて車は中に入れないからアマティのお散歩には申し分ない。近くに有料のドッグランがあり日曜日の今日は激混みだったがここはだれ一人会うことは無い。
精進湖に降りて一休み。アマティをクルマから降ろしたら一目散に精進湖で泳ごうとするので慌てて制止した。
途中、雪をかぶった白鳳三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)を見ることができる。その度に気持ちが若返りワクワクする。特に北岳はお花畑を求めて何度も登ったものだ。
12月に入ったので太平洋側ではもう雨を心配しなくてもよくなった。体力は落ちたがせめて低山歩きくらいはしたいものだ。
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