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2024年10月19日 (土)

今年も栗粉餅

栗のお菓子の話題は地域によって味も名前も違うから誤解を生ずるかもしれない。
例えば栗きんとん、静岡ではおせち料理に使うアレだが、どちらかというとゆで栗を潰して握り固めた中津川などを代表とした和菓子を言う方が多いかもしれない。
木曽福島には[栗餅]といって餅を栗きんとんで包んだ和菓子がある。一文字違えて岐阜がメインだと思うが中津川でも見られる[栗餅]。これが本日のテーマ。
わたしたちが文化遺産の建物の中で薄れゆく岐阜の銘菓[栗餅]の伝統を今日まで受け継いできて15年になる。
なんちゃって、このお菓子の手作りの製法は今や殆ど忘れ去られ、かってのおいしさは幻となろうとしている。
15年以上前当時わたしは大量生産で作られた中津川の栗粉餅に感動し年に2〜3回買いに行き本ブログに綴っていた所、当文化財のオーナーであられたかっての生徒のお母上(栗粉餅の職人だった)の目めに止まり、「本物を食べさせるからこちらにいらっしゃ」と誘われたのが15年前の今頃。それ以来毎年この時期1回ではあるがここで栗粉餅を造ることになった。

これが栗を裏打ちした直後の「栗粉富士」。じょうずに裏打ちするとこのように高い富士山になるがうまくいかないときは側火山がいくつもできてしまう。大変目の細かい篩(ふるい)を使うのでこれを作るのが重労働。
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この栗粉には若干の砂糖を混ぜてあるのだが、この砂糖が湿気を呼ぶのでものの60秒もしないうちにしんなりしてしまう。実はこの60秒こそがわたしがわざわざ静岡から出かけてくる秘密が隠されている。
小さな餅切れにこの栗粉をまとわせたものが栗粉餅。すなわち裏打ちを終えた直後の60秒以内に出来上がった栗粉餅こそ息をのむおいしさなのである。
そう、このおいしさを体験できるのは栗粉餅を造った本人でしか味わうことができない究極の極楽。
制作者3人が3個ずつたべると60秒が過ぎる。裏ごしは計4回やるから12個食べられる。 あとは究極の賞味期限は過ぎるのだがそれでも賞味期限は本日中である土産用に箱詰めされる。
今年からメンバーが一人加わったのでこの菓子もあと何年かは安泰だろう。
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栗粉餅でお腹一杯になったあとは文化財の建物を後にし、岡崎に住む息子達を岡崎SAまで呼び出して1箱を渡し、静岡に直行し娘の家で1箱を渡し、自宅に戻って夕飯に岡崎SAで「矢場とん」の味噌カツ丼を食べたにもかかわらず、お昼に食べ残した天むすを食べ更にもう一箱ある栗粉餅を食べ、お腹一杯で苦しくなってお風呂に入って就寝。あぁ、いい一日だった。

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