2022年7月
2022年7月31日 (日)
2022年7月30日 (土)
無責任避暑旅行記
自分のことを「お前はいい加減なヤツだなぁ」と思うことはよくあるが、今回は特にそれが顕著に出た避暑旅行だった。
余りの暑さに「山葵田の別荘に行こう」と前夜に決め7/30の朝からチェロや荷物を積み込み出発。新東名の掛川を過ぎた頃ふと「今頃は毎年南志賀の別荘に行っていたなぁ」と思い出したら、あの寒いような涼しさと一面にヤナギランが咲く光景を思い出し(コロナ禍で遠征自粛を忠実に実現していてすっかり忘れていた)、「まてよ、避暑なら志賀高原だなぁ」と言うことになり、急遽新東名下り線を降りて上り線に乗り換える。暑い中とにかく自宅に戻ってチェロをおろし、キャンプ道具を積み込み、お稽古をキャンセルして水曜日までの日程を確保し、再び新東名・中部横断路・中央高速・長野道を乗り継ぎ、17時少し過ぎに南志賀のいつものキャンプ地に到着。すでに管理人は帰った後だが勝手知ったるキャンプ場の一番高いところに陣取って大急ぎでスクリーンテントを設置。これがこの別荘地のわたし達の生活区で(写真)寝るのは横に駐車しているクルマの中(車中泊)。
さてさて、慌てて再出発したおかげでキャンプ道具1箱を積み忘れ、ヤカンもナベも包丁もまな板も皿も箸も持ってきてないことに途中で気付く。これでは全く飯が食えないので、途中でナベとヤカンなど最低限なものを購入し、食いつなぐことができた。
着いたのが土曜日とあって珍しくアチコチにテントが張ってあったが、日曜日以降はわたし達を含めて2張りのみ。実に静かな美しいキャンプ場である(アマティも離しっぱなし)。気温は敷地内ではずっと22度代。日なたに出ると28度位でさすがに暑い。日が暮れると寝てしまうので夜や明け方が何度かは解らないが、真冬の羽毛布団がちょうどいい。
翌日、管理人が来たので「昨夜入りました」と自己申告し3泊の契約を済ます(なぜ4泊にしなかったのかは未だに不明)。
近場のヤナギランとカリガネソウとエゾアジサイを見に軽登山したり、麓の売店に降りキノコを買ったり、河原に湧き出ている温泉に入ったりゆったり過ごす。
次の日は熊ノ湯方面ドライブ(毎年恒例だが)、ヤナギランの大群生地を散策したり、万座温泉日進舘でお昼を食べたり温泉に入ったり。この温泉宿は50年前に初めてスキーを習った場所で当時は毎週のように通った大変懐かしい宿。土砂崩れで当時の温泉は埋まってしまったがあの頃と全く同じ泉質のとてもよい温泉がうれしい。
さて、4日目の朝、寒い程涼しい思いもしたし、見たい花も見れたし、すばらしい温泉にも入れたし、「もう帰ろうか?」と言うことになったがその時入っていた気象情報を見て驚いた。
「エッ、ヤバいじゃん」[危険]と通り越して[極めて危険]とはどういうこと? これはまずい。「さらに連泊しよう」と延長を申し入れに行こうとしたら由比の井筒屋さんから友達経由で「とてもいいアジが入荷」という情報が流れ込んできた。「ヒェ〜どうしよう」とは思ったものの「鰺鮨喰うためにこの快適な生活を放棄するのもバカだよな〜」と断った。しかし、こういう山の中の生活をしていると、おいしい魚が喰いたくなるものである。特に由比の倉沢鰺の寿司は絶品なのだ。お店が薦めるほどのいい鰺の入荷なんてそうざらにあることではない。そこで大決心をしてテントをたたむ作業を開始。用意でき次第出発し、アチコチに躓きながら井筒屋開店時間(17時)ピッタリに到着して鰺鮨を堪能。これを喰ったら「帰ってよかったよ」とうめき声が出るほどおいしい寿司だった。
まぁ、この旅行もそんなわけで大満足な結果に終わったものの、思い出してみるとなんとまぁ「計画性の無いいい加減な性格になってしまったなぁ〜」と自分を嘆くのであるが、これも余命何年かの特権やもしれぬとニヤニヤするのである。
2日から3日と静岡で過ごしているがウワサ通りのすごい熱さ。一番迷惑しているのは毛皮を着たアマティである。
2022年7月28日 (木)
マルチリンガル
コロナ禍で4年ぶりに日本に帰国した姪が又姪(7歳、3歳)を連れて静岡にも来てくれた。カナダに在住し夏休みを利用して日本にやってきて、上の子は(小2)しばらく日本の小学校にも通ったという。
カナダ籍だが住んでいる地域はフランス語圏だとうことで学校やお友だちとはフランス語で英語もお勉強、パパとは中国語、ママとは日本語で会話しているという。パパとママは英語で会話し、パパはフランス語も堪能だがママはフランス語は×らしいので子どもが通訳してくれるんだとか・・・
語学の苦手なわたしには目の回るような話。でも、この子たち日本語もペラペラなのでよかった!...
ところでこの姉妹、ケンカするときは何語になるんだろうか?
女の子姉妹はかわいいね!
さて、こちらもわたしの姪の子(又姪)兄弟(3歳と6歳)。姉妹は妻の姪とその姉妹。ほぼ歳が一緒だからすぐに馴染む。
筧の小さな小さなお池に笹舟を浮かせて遊び出しました。
わたしとしてはこの子たちを見ているだけでヘトヘトに疲れましたが、4人は仲良く遊んでいました。
皆が帰ったあと、おしゃれな筧はこんなになっていました。
あれあれ、蝉の抜け殻まで乗っている。
2人は明日大阪からカナダに帰るそうです。又おいでね〜、早くコロナが収まるといいね〜
2022年7月25日 (月)
2022年7月24日 (日)
ヤマユリ
先週が見頃だったはずのヤマユリ、天候が悪く1週間遅れになってしまった。案の定、ほとんどの百合は終わっていたがこの株だけは(実は二株)わたし達を待っていてくれた。
実は昨年、この株の近くに15輪の花を咲かせた大株があった。「1年に1つずつ増える」と言われているから、今年は16輪咲いているかどうか確認したかったのだが、残念ながらその株はすでに朽ちていた。
少し登ったところに2株が大輪を咲かせていたのをアマティが見つけた。
2022年7月23日 (土)
溺れた振り?
暫くしてクールダウンしたアマティが急におかしな行動をしました。水しぶきなど上げずにスマートに泳ぐアマティなのですがいつもと一変しています。子どもの時からこの場所で泳いでいるアマティがまさか溺れるわけが無い。もしかしたら“振り”とも思ったけど、どうやら正体は泳ぎながらブルブルをしているようです。顔に水しぶきがかかってしまったのか耳に水が入ってしまったのか・・・
普段見ることのできない表情をカメラに収めることができました。
2022年7月22日 (金)
鹿脛ボーン
アマティは骨が大好きです(棒も大好きですが...)。そのせいかどうかは解りませんが歯が折れてしまい神経がむき出しになってしまったので、2月胃カメラを飲むため全身麻酔をした際抜歯しました。しかも2本です。なんせ、友達と石を取り合っていて弾みで飲み込み開腹手術をしたほどの子ですから、なぜ歯が折れたのか原因は定かではありません。
この鹿の骨は先日頂いたものです。ちょっと躊躇しましたが、おとなしく楽しんでいます。10分程で取り上げるのを繰り返しているけど素直に出すので、もう堅いものは懲りたのかあるいは上品に遊ぶ(食べる)様になったのか・・・
ただし自分で獲った獲物は違います。この子はよく脛に肉や毛や蹄が着いているヤツを拾ってきます。多分くくり罠にかかった鹿や猪が自分の足をかみ切って逃げた落とし物でしょう。これを見つけたアマティは見せには来るもののわたしには近づきません。「出せ〜」と言われるのがよほど嫌なのです。
さて、骨だけだとそれほどの執着心は現さないけど、その様子がとてもかわいいのでカメラを取り出しました。
福島/銀鮭紅葉漬
数日前に福島土産に紅葉漬を頂いた。「名物に旨いものなし」とはよく言うが、これがめっぽう旨くて(以前にも一度食しているが)、ちびりちびり食べていたが今朝最後の一箸が終わってしまった。あまり体験したことの無い食感に驚くが、鮭のおいしい部分を粕漬けしたもののようである。[銀鮭の紅葉漬]とあるが「葉は入っていないなぁ」と探しながら食べたが、ベニ葉とかコウヨウと読むのでは無く真っ赤なモミジの意のようだ。大根おろしととてもよく合う。
【教訓】名物だけあっておいしいものもある。
2022年7月19日 (火)
バスローブを着せられたアマティ
何はともかく、沼が腐った匂いを発散させ近づいてくるからたまったものでは無い。アマティは明け方涼しくなると寝室に入ってきて「お布団に入れて」とたたき起こされるから、夜半とはいえシャンプーせざるを得なかった。なかなか匂いが取れず2シャンしたらわたしの腰が悪化した。まぁ、ここ2ヶ月ほどシャンプーしていなかったからそのタイミングではあったが・・・
2022年7月18日 (月)
2022年7月17日 (日)
折りたたみ式ミニサイクル[Panasonic / Traincle]復活
2000年、静岡市内から浜松市の某小学校への併任を命じられた。通勤手段を検討した結果、もっとも現実的なのが[自宅ー🚲ー静岡駅ー🚅ー浜松駅ー🚲ー勤務校]だった。
当時わたしは山岳サイクリストとして自転車を担いで山に登り、カットビで降りてくるというなんともまぁエキサイティングなスポーツ(遊び)に興じていたので、この通勤方法はもっともわたしらしい手段だった。
そこで白羽の矢に当たった自転車がパナソニックがJRと共同開発したチタンフレームのトレンクル(train+cycle)。
ただし浜松は静岡に比べて坂道が多いので後ろに7段の変速機を付け加えてもらった(変速機のない状態で6.9kg)。
これにより、静岡駅で自転車をバタバタっと畳み新幹線に乗せ、浜松駅でバタバタっと組み立てて通勤した。
小さくて軽くて大変按配がよかったのだが、この可愛らしいスタイルが小学生にバカウケだった。
その後は近所の買い物とか床屋さん位しか利用価値はなかったが、車中泊旅行を始めた数年前にもう一台妻用に買おうとして店を訪れたらとんでもない値段に値上がりしていたので断念したことを覚えている。
さて、そのミニサイクルは22年も経ちタイヤも傷んできたので交換と整備に出し、今日仕上がってきた。
愛嬌のあるかわいい自転車です。変速レバーはボクのアイディアでシートポストの上部にある。
リアに7段変速を装備。
2022年7月16日 (土)
雨散歩のアイテム
今年は梅雨が2度もあって大変ですね!...
雨降りのアマティのお散歩には傘が使えません。片手でアマティのリードを握りもう一方で傘を差すなんてわたしの体力・腕力では到底無理だからです。💩を取るときも、アマティが腰をおろしたところで後からウン袋をあてがって取るので、傘を持つことが出来ません。
従って小雨でも大雨でもわたしは上下雨合羽と長靴で完全防備でお散歩に出ます。これが以外と気持ちよく、最近体のアチコチに凝りが見られるので頭や肩に雨が打つ刺激が心地いいので、大雨ほど楽しいのです。
わたしが着用している[berghaus]のカッパは最大の信頼を寄せる雨友です。「このカッパがあるから雨散歩が楽しい」と言ってもいいほどです。(ただし冬はこのカッパではなく雪山登山用のカッパを使います)
さて、長年愛用したこのカッパ、全く経年劣化はありませんが実はズボンが酷いことになりました(ズボンは別メーカーで安物だった)。腰ゴムが伸びきりズレてしょうがないうえにスプレーしても水が通ってしまいます。
で、今年の2度の梅雨は大変雨量が多く、露もまだ長く続きそうなのでズボンだけ新調することにしました。
今は上下黒なので、雨の夜のお散歩は危険を感じるから、ズボンは明るい色を探そう。アウトドアで信頼できるmont-bellにしようと言うことでショップに出かけました。
こんなのがありました。この色なら雨夜のクルマからも視認性がよいと思われます。上着に赤が入っているからコーディネートもいいでしょう。
わたしのような変形肥満体にはL-Sサイズはうれしいですね。腰回り(腹回り)はLだけど股下は short の前世代向けのサイズ。わたしは33×29なのでジャストフィットです。
こんなシステムも心強いです。
さらに、靴を履いたままオーバーパンツが履けるようにボトムジッパーがあるから急な雨にも対応出来ます。
2022年7月15日 (金)
2022年7月14日 (木)
2022年7月12日 (火)
盆と団子と
あすから盆なので墓参りに行ってきた。5日前(7/7)が父の命日だったので行ったばかりだが、暑い真っ最中で花は全て枯れていたのでまた百合の花を生けてきた。せめて盆の期間持ってほしい。
3週間後が母の命日だし下の弟の命日も続く。どうやら我が家系は暑さに弱いようだ。数年後の今頃がわたしの落日となるやもしれぬ。
町中のウチの墓に行くには「焼団子の仁志乃」の前を通らなければならない。行きがけに注文して焼いて貰っておくと、帰りに寄れば待たずに受け取ることができる。
ことしもこの焼団子にありつけるうれしさよ・・・
さぁ、道しるべの迎え火も済ませました。今年はアマティは火の側に近づきませんでしたねぇ。雨が降っているからかな?
母はアマティの赤ちゃん時代を知っていますが、父は先代の"Hana"ちゃんしか知りません。
2022年7月11日 (月)
2022年7月10日 (日)
2022年7月 8日 (金)
手抜き菜園
今年の夏野菜は長大雨と日照り続きの影響で植え付けも手入れもできず、全くの自然園となってしまった。今日は朝は小雨が降り、その後も曇り空だったので「今日しかないな」と思ってまだ余っている畝のために苗屋さんに行ったら、あれあれまだ夏野菜の苗が大量に並んでいた。
とりあえず、まだキュウリ棚が余っていたので3本追加。その他ピーマンやシシトー青ジソなど買い込んで畑に向かう。
キュウリやナスやトマトを収穫しながら更にキュウリの苗を植えるという、今までに無い体験。
作業が始まったら日が差しだしものすごい暑さとなってしまった。頭がふらふらする。これ以上は危ないな!...
苗は元気に育っているが雑草はそれ以上に元気。
いまに野菜を飲み込んでしまいそうだ!かと言ってこのまま草刈りをする元気は無い。
トマト9本、ナス9本、キュウリ9本と、なぜ9本になったのかは分からないが、これだけあればこの夏は越せそうな気がする。これだけ雨が多いので水やりの手間が省けるのは有り難い。しかし、毎日収獲に来ないとキュウリがヘチマのようになってしまう・・・
2022年7月 7日 (木)
カサブランカで代用
7/7は父の14回目の命日にあたる。その時の遺書に「わたしの棺をユリの花で埋めてくれ」とあったのだが実はまだその約束を果たすことが出来ないでいる。
昔は里山に入ればどこにでもヤマユリが咲いていた。わたしはよくヤマユリを摘んで持ち帰ると、父と母は奪い合うようにヤマユリを題材に父は油絵で母は日本画で描き出すのが常だった。だから彼らが言う百合とは山百合を指す。
父はどうやらこのシーズンに自分が没することを予知していたのだろうが、残念ながら山百合が咲くには10日ほど早すぎた。先日、山百合の咲き具合をチェックしに行ってきたが、今年もまだつぼみは堅かった。
そんなわけで命日の墓参はまた「今年も山百合がまだ咲かないよ」と報告することになる。
〖カサブランカと表記したが、日本古来のテッポウユリだと分かった〗
2022年7月 6日 (水)
普段履きスニーカー
歳を取るとシャツは長袖で無ければダメ、ズボンはカーゴパンツ、靴はローカット軽登山靴、と言ったようにこだわりが強くなり、それがおしゃれから来るものでは無く、いままでの経験から「これでなくては」といった案配になる。
現状では葬式以外は全てこの出で立ちで通せる自由な立場にある。
中でも普段履きのスニーカーは最も重要なもので、町の中でも山の中でも、晴れても雨でも、冬でも夏でも、舗装路でも岩場でもどんな条件下でもこれ一足で対応出来なくてはならない。
それに見事に対応したのが[LOWAのレネゲード GTX ロー ワイド]で40年近く毎年更新していたが、年金生活も終盤を迎えるにあたり「これではまずいな」と思って約半額で買える日本製の[SIRIOのローカット]に変更して数年になる。上品さではLOWAには敵わないものの、かっての日本人の主流だったバンビロ、ヘンペイソク、上向きツメに対応しゴアテックスを用いソールはVibramを用いているので、機能としては申し分ない。
なお、本格的登山靴はLOWAの物もSIRIOの物も持っているのだが、最近はほとんどこの靴で済ませている。しいて言えば雪山や急登ではスパイク付き長靴が活躍する。
ビブラムのソールはほぼ1年ですり減ってしまう。シリオの靴はソールの張り替えが出来るのだが、+3000円ほどで新品が買えるのでソールを交換しないで本体共々買い換えている。
2022年7月 4日 (月)
2022年7月 3日 (日)
鮎雑炊
ウチョウランを見た後雨が降り出してきた。そこで花の探索を終えて久しぶりに鮎の雑炊を食べたくて鳳城苑を訪れた。ただ、鮎雑炊を食べるのにはまず4匹の鮎を食べないと注文できないシステムになっている。写真の下の鮎の刺身から食べ出しそして最後に雑炊となる。通常わたしは鮎田(鮎田楽)をサシミに変えてサシミ2皿にして貰うのだが、今日は繁忙期のため断られてしまったのでセットメニュー通りとなる。久しぶりの鮎田はおいしかったが、やはりサシミはサイコー!
いつも食べる刺身と切り方が違っていたが、まだ鮎が成長段階で小さかったからか棒状に切られていた。しかし、味はおいしい!
なお、このお店は鮎料理は夏のみで晩秋からはアマゴ料理となる。
2022年7月 2日 (土)
ウチョウラン
ウチョウランは最も好きな山野草の1つ。これだけは毎年見ないと盆正月は来ない。
昨年は7/18に訪れている。その時の一番大株が12輪の花を持っていた。写真の1枚目がそれと同じ株で、今年7/2は18輪(ツボミを含め)付けている。崖一面に咲いているのだが、少し早すぎたようだ!...
2022年7月 1日 (金)
小屋に着いたら・・・
小屋に着いて荷物を降ろし、最後にアマティに「降りなさい」と言ったらアマティはクルマから飛び降り、一目散に裏山に登りだした。
裏山には山葵田を荒らしに来る猪檻やくくり罠が仕掛けてあるので、慌てて制止させに追いかけたら「あれあれ」、猪檻に鹿が入っていた。
アマティにはクルマから降りる前からこの事態を認知していたようで、特に襲う様子も見られず鹿も暴れる様子もなかった。それどころか「お前なにしてるの?」「鉄の扉が閉まって出られないんだよ!」という会話がなされているようだった。
わたしはマダニや感染症を案じてアマティを家に入れ、檻の管理者に連絡して事態を見守った。山葵田を荒らすのはイノシシだとばかり思っていたからまさかシカが入るとは想像していなかった。しかし、どちらも害獣指定されているので殺処理しなければならない。シカの顔はかわいいのでかわいそうだが最後まで見届けてあげた。具体的には書かないが「ピュー」と泣く声が耳に残っている。(捕獲するのも処理解体するにもそれぞれの免許が必要)
アマティはこのシカに対して一種の哀れみを持っていたと確信する。動物は無抵抗の相手に対して敵対心や攻撃心を抱かない。
かってわたしは先代の登山犬"Hana"を連れて丹沢を歩いていた時である。年老いて力尽きたニホンカモシカが登山道の端に伏せていた。わたしは「しまった!!」と思ったがすぐ後を "Hana"が歩いていたのでマッサオ!... アマティも"Hana"も登山中シカやイノシシやカモシカやサルに出会ったら追いかけて暫くは帰ってこないからだ!ニホンカモシカは天然記念物なので、殺したりしたら大事になる。
その時老カモシカは全身の力を振り絞って立ち上がり戦闘態勢に入った。しかし、奇跡が起こった。"Hana"はわたしのすぐうしろで何事も無かったように通り過ぎたのだった。わたしは胸をなで下ろし"Hana"を褒めてやった。
それに似たようなことを今回目の当たりにし、「獣ってスゴイな」と畏敬の念を抱いた。