新境地に至ったか?…
わたしがチェロを弾いていると遂にアマティがチェロに触れだした。
しかも手や身体ではなくアゴをチェロの表板に押しつけているのだ。
「ちょっとちょっと、ヨダレを出すなよ〜」と叫びながらもBACHを弾いているとさらに首を伸ばして感触を味わっている。どうやらこの子は新境地を切り開いたのかも知れない。この表板は松材で共鳴板となっているから、おそらく弾いていれば板がブルブルと振動しているのではないかと思う。アマティはもしかしたらその振動に快感を感じているのかも知れない。
こんなことを始終されていたら響板を押さえてしまうから楽器が鳴らなくなり、それよりもなによりもジャマになって弾くことができない。まぁ、この後どうなるかを観察するのは面白そうではあるがジャマされてはかなわない。
写真を撮っている間「トーサン、早く弾いて」と言う目つきをしているのがうらめしい。