ある野生動物の死骸
先日、戸台大橋のタモトで車中泊したのだが、ここは野生動物の栖でサルは出没するは、熊注意の標識はあるはで野趣あふるる所である。野生動物の死骸もよく見る(アマティがすぐに見つける)ところだが、今回はなかなか見事な鹿の角付き頭蓋骨だった。
普通、鹿の角は1度に2本落ちることはないので、これは角が抜ける前に何らかの理由で死んで腐敗が終わり、角が付いたままの頭蓋骨となった大変立派なものである。
しかし、残念なことにすでに年数がたち白骨化して美しさを逸しているので持ち帰るのは遠慮した。(毎年この時期ここで車中泊しているが昨年は見ていない)
話しは、これで終わらなかった。
この後わたしたちは北海道旅行のために6週間も行っていなかった新城市の別荘代わりに使っているワサビ田小屋に向かったのだ。
心配していたカビは出ていなかったのでホッとしたものの、何か異様なニオイがする。何ごとかと思って裏の勝手口を開けたところ、なんとその場に大きな野生動物が朽ちていた。これでは臭いはずである。
この場所は静岡に帰る前に生ゴミを埋める場所なので、前回確認したのは4月13日。その後この場所で息絶えたと思われる。写真も撮ってあるが凝視に絶えないので載せないが、鹿のような角ではなく山羊のような角を持つことからニホンカモシカと断定。なぜ、こんなところでニホンカモシカは息絶えたのか?… 迷惑な話だが原因は突き止めなければならない。
①毒や罠で傷ついてここで果てた ②交通事故に遭いここまでは逃げ延びてきた ③ニホンジカも猪も出るので喧嘩して負けた ④病死 ⑤老衰 ⑥落雷 ⑦躓いて骨折 等々いろいろ考えられるが科捜研に解剖でもして貰わない限り真相は掴めない。しかし、月日が経っているので原形を留めていないし、すべてのパーツが揃っているとも思えないので、迷宮入り事件として葬られることになろう……
どちらにしろ、わたしの力でこれを処理することは到底無理なので新城市の鳳来出張所に相談したらすぐに清掃センターの方が見に来てくれて、対処してくれることになった。重機が入らないところだし、クレーン車で持ち上げることが出来る状態ではないのでその場に埋める事になりそうだが、もはやお任せするしかないというか対処してくれるだけでありがたい。雨も降ってきたので薬剤や石灰が流れてしまうから、作業がいつになるかわからないのでお願いして帰って来た。
この話をしたときある人が「野生動物が自分の死に場所にそこを選んだということは、とても穏やかな気のいい場所なのかな」と癒やされたのが唯一の救いか?…