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2017年3月27日 (月)

カザルス/バッハのレコード

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左上はカザルスのバッハの無伴奏チェロ組曲全集3枚組みLPレコードで、右上はこの全集に添付されていた全曲楽譜。 下段はその楽譜の1番プレリュードを拡大したものです。

わたしが高校に入った年(1959)、父親に「チェロをやりたい」(静市高には当時オーケストラ部があった)といったら音楽のことは全く分からないはずなのにすぐに手配してくれ、カールヘフナーのチェロとなぜかこのカザルスのバッハの無伴奏LPレコードを揃えてくれた。(後々大変感謝することになる)
このレコードには写真のような楽譜が添付されていて、これを見ながらレコードをかける度に「なんでこの音符がこのような音楽になるのか」目と耳を疑ったのを今でも鮮明に覚えている。それいらいこのレコードを何度も何度も聞き返してボロボロになっている。(いまもかけながら書いているがレコード針でつけた傷跡のプツプツ音が酷い)
さいわい、わたしはまだ1度も針を置いたことにないLPを別に1セット持っているので、新品レコードは老後の楽しみにとってある。

ついでに書いておくが、このレコードの録音は1930年台なので、録音機を発明したエジソンがなくなった直後、SPレコード(全20枚組)として販売された模様。
実は写真のLPも現在販売されているCDもカザルスのバッハは全てこの時のSPレコードの録音を再版(復刻) したものである。
で、今日はLPとCDのバッハの3番をそれぞれ聞き比べしてみた。もちろん音源は同じだから同じ演奏なのだが、LPの方がはるかに瑞々しい音色で驚く。ひょっとするとSPはさらにいい音がするかも知れないが、残念ながらSPを聞くプレーヤーはすでに持ってないし、第一SPのあのシャリシャリした雑音がジャマになって聞くに堪えないかも知れない気がする。
ちなみに、1961年、わたしは東京でカザルスの生の3番を聞いている。聞き慣れたレコード録音から30年ほど経っているにもかかわらず「音色もフレーズもブレスもレコードとそっくり」との印象を持ったことをはっきり覚えている。
ま、ともかく、この音符以外何も書いてない楽譜とカザルスのレコードを与えられ、この時の疑問がいままで持続することができたことに感謝している。

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