山葵(根ワサビ)の正しい喰い方
いわゆる練りワサビ(チュウブに入っているやつ)でなく、本物のワサビを「根ワサビ」とか「本ワサビ」と呼んでいる。これは大変香りがよく、辛さもキツイので好まれているのだが、実は一般にはこの根ワサビの最もおいしい食べ方を知らない人が多い。というより、未だにわたしと同じ喰い方をする人に会ったことがない。と言うか、この最もおいしい喰い方とは、わたしのオリジナルだからである。
ワサビも辛さだけなら練りワサビの方が強烈だから、根ワサビを使うことはない。根ワサビの最も大きな特徴は特有の“香り”と“美しさ”だからである。
その“香り”のためには金物のおろし器を使うべきでない。鮫の荒れ肌が最も適する。またおろす方向は根ワサビの茎の方からおろすこと。逆にすると“香り”が出ない。
このおろしたてのワサビはタマネギよりも涙が出てつらいが、“香り”と“色”を楽しみたい。
しかし、この素敵な“香り”も“色”も、醤油に溶かしてしまってはまったく失せてしまうから厳禁である。そこでわたしがあみ出した方法は、箸の先でおろした山葵を適量つまみ、そのまま刺身や蕎麦や刺身コンニャクや、とにかくワサビにあうものをつまみ、醤油やタレにワサビが浸されないようにしながら口に運ぶ方法である。すると口の中でワサビの“辛さ”と“香り”がフワーっと広がる。根山葵を使う場合はぜひ試されよ!
[応用編]
さて、生じらす丼の場合を示そう。
生じらすはどんぶり飯に生じらすを約200g乗せた後、軽く醤油をかける。そして真ん中に摺り下ろした根ワサビを置く。喰うときは根ワサビを適量箸に取り、そのまましらすとご飯を口の中に運ぶ。その直後にもう最高の幸せ感に全身が包まれる。
では、ウニ丼はどうだろうか?ウニ自体に甘い香りがあるので、根ワサビとは余り相性がよくない。この場合チューブに入った練りワサビを醤油に溶かして、ウニの上からぶっかけて喰えばよい。
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