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2006年3月21日 (火)

隠れ家

わたしは愛知県鳳来町に隠れ家がある。自分のものではないが気軽に借りられる環境から、月に1〜2度は訪れている。何がいいかと問われれば即座に出る答えは[五右衛門風呂]なのである。

その家は親戚の山葵田の管理棟(わたしはワサビ小屋と呼んでいる)で、風呂は薪で焚く五右衛門風呂が設置されている。

五右衛門風呂というと皆は直ぐに「石川五右衛門の釜ゆでの刑」を思い出すだろうが、決してそんなに野蛮なものではない。第一釜の格好などしていない。ホーロー製のごく普通の浴槽である。その浴槽の下に薪をくべ、どんどん燃やすのである。この風呂焚きがまたいいのだが、それはまたいつか述べよう。今日は湯船の話しをする。

蓋を取って手を入れ、温かくなったらもう一本薪を加えて裸になり、下駄を履いてはいるような野蛮なことはせずに、プラスチック製のスノコ状のものを下に敷いて入浴する。

もちろん初めはぬるいのだが、浴槽自体は温かいので寒ければ体を浴槽に押しつければいい。そのうちスノコの隙間から熱いお湯が上がってくる。

すなわち、上はぬるいが下はかなり温かいのである。したがって普通のガス風呂とは全く反対の現象が起きているのである。これがいいのだ!下からジワジワと温まり、徐々に全身が温かくなってくる。こんなに気持ちいい風呂は今まで入ったことがない。

ただし、薪には苦労する。効率の悪い風呂だから、かなりの量を消費する。かといって今ごろ薪を売っている店はない。せいぜいバーベキュー用として季節限定で売られているに過ぎない。

幸いなことにわたしには山師(林業の社長さん)の友人がいるので、ダンプカー1杯の薪を譲って貰い、この隠れ家に運び込んである。あと1〜2年は持ちそうである。

問題は、すでにこの風呂釜もかなり傷んできている。ところが修理を出来る人材がもういないことである。これが壊れてしまったらもうガス釜に替えるしかないのかも知れない。それが当面のわたしの悩みである。

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